【祭礼日】５月４日
【場 所】高山市国府町広瀬町２６０４（広瀬神社）・高山市国府町広瀬町２６８３（度瀬神社）
【日 程】１０：００～１２：００（鶏闘楽・金蔵獅子＝広瀬神社）、１３：３０～１５：３０（鶏闘楽・金蔵獅子＝度瀬神社） （西暦奇数年、偶数年は度瀬神社・広瀬神社の順）
高山市国府町広瀬町では毎年５月４日に、広瀬神社と度瀬(ﾜﾀﾗｾ)神社の例祭で鶏闘楽(ｹｲﾄｳﾗｸ)と金蔵(ｷﾝｿﾞｳ)獅子が奉納されます。
西暦奇数年には、午前中に広瀬神社で鶏闘楽と金蔵獅子が奉納され、午後から度瀬神社で鶏闘楽と金蔵獅子が奉納され、西暦偶数年には神社の順序が逆になります。今年は奇数年なので広瀬神社での奉納が先になります。
広瀬神社での例祭神事が終わると、幟を先頭にして鶏闘楽の一行が行列を組んで宮入りし、本殿前の広場で鶏闘楽を奉納します。
【鶏闘楽】闘鶏楽(ﾄｳｹｲﾗｸ)または鶏闘楽（広瀬町では鶏闘楽と称します）は、江戸時代から飛騨地方に伝わる芸能で、鉦打ちが輪になって鉦を撞木(ｼｭﾓｸ)で「カンカコカン」と打ち鳴らします。
踊り子は３０数人の中高生で、鳳凰と龍の紋様を染めた白地の長着姿に黒の帯を締め一文字笠を被り、首から吊るした鉦を左手に持ち撞木を右手に持っています。
リーダーらしき４人は鳳凰の文様の替わりに市松模様に染めた長着を着ています。また鉦と撞木の替わりに締め太鼓を胸に付け両手に撥を持つ人も２人います。
鶏闘楽の奉納が終わると、本殿前の広場に茣蓙を敷いてこの上で金蔵獅子が奉納されます。
【金蔵獅子】金蔵獅子は飛騨から越中にかけ各地に伝承されている郷土芸能で、天狗面をつけた男神（金蔵）とお福面をつけた女神（おかめ）が協力して、田畑を荒らす獅子（猪・鹿など）を退治する物語が演じられます。
一般の獅子舞は、獅子に神格があってその威力によって悪魔が祓われるのですが、金蔵獅子では金蔵によって獅子が退治されるという筋書きになっています。
金蔵は、市松模様の半袖・裁着袴(ﾀｯﾂｹﾊﾞｶﾏ)姿に黄の襷を掛け黒の手甲を着け、天狗面をつけ鶏毛の冠を被り、両端に五色の房を付けた短棒（剣）を両手に持っています。襷の背側には五色の紙垂が付いていて、金蔵が神であることを表わしているようです。
おかめは、華やかな着物姿に黒の帯を締め、赤の襷・手甲・脚絆を着け、お福面をつけ豆絞りの手拭いを姉さん被りし手にササラを持っています。
囃子方は、太鼓台に据えられた大太鼓を打つ２人と笛吹きの数人です。
最初に、二人立ちの獅子２頭が勇壮に舞います。これは獅子が田畑を荒らしている様子を表わしているのかもしれません。
次に、金蔵が二人立ちの獅子１頭の前に現れ短棒を振り回しながら獅子と闘い、おかめは獅子の後でササラを摺り鳴らしながら金蔵のまねをします。獅子が弱ると金蔵はその背に跨り獅子は怒って金蔵を跳ね飛ばします。
跳ね飛ばされ苦しむ金蔵をおかめが介抱しますが、金蔵はおかめが近寄るのを嫌い蹴ったりします。やがて元気を取り戻した金蔵は獅子に飛びかかり格闘の末、獅子頭の後を刺して獅子を退治します。
午後からは度瀬神社に舞台を移します。昼過ぎ、度瀬神社に隣接する桜野集会所から、氏子総代・獅子・鶏闘楽・神楽・采女(ｳﾇﾒ)・舞姫・楽人・神職などが行列を組んで度瀬神社に宮入りします。
采女８人は、白の小袖・緋袴姿で手に扇子を持っています。舞姫は巫女姿の少女４人です。
行列は、本殿前に縦２列になって並び鉦・太鼓を打ち鳴らす鶏闘楽の一行の間を分け入って祓所(ﾊﾗｴﾄﾞ)に向かいます。神事参列者の皆さんは、祓所で神職によるお祓いを受けた後、本殿に入り神事に臨みます。
神事の中で、舞姫が採り物を榊の枝・扇・鈴に持ち替えて優雅に舞います。
神事が終わると、広瀬神社と同じように本殿前の広場で鶏闘楽が奉納され、続いて敷かれた茣蓙の上で金蔵獅子が奉納されます。鶏闘楽・金蔵獅子とも奉仕する皆さんは広瀬神社と同じメンバーです。
鶏闘楽が宮入りする（広瀬神社） 鶏闘楽（広瀬神社）
金蔵獅子の囃子方（広瀬神社） 獅子が舞う（広瀬神社）
金蔵が獅子と闘う（広瀬神社） 金蔵が獅子に跨る（広瀬神社）
度瀬神社へ向かう鶏闘楽 度瀬神社へ向かう楽人
祓所に向かう神事参列者を送る鶏闘楽 神事参列者をお祓いする（度瀬神社祓所）
巫女舞（度瀬神社） 鶏闘楽（度瀬神社）
獅子が舞う（度瀬神社） 金蔵が獅子と闘う（度瀬神社）
獅子が金蔵を跳ね飛ばす（度瀬神社） 金蔵が獅子頭を刺す（度瀬神社）