【祭礼日】4月第二日曜(5年毎=2010年)
【場 所】伊和神社(加茂郡富加町加治田925)
【日 程】14:30~15:30
伊和(イワ)神社の「田の神祭」は、平安時代初期の武将坂上田村麿が征夷大将軍として蝦夷征伐に向かったとき、この地に清水観音を祀り村民に豊年を祈願して田植祭を教えたのが始まりと伝えられています。
田の神祭の奉仕者が、狩衣(カリギヌ)姿に立烏帽子を被り幣束を手に持つ禰宜殿を先頭にして行列を組んで神社境内に参進します。境内中央には茣蓙が敷き詰められ、その一角に筵3枚が三角形に敷かれています。
茣蓙に禰宜殿と裃姿の太鼓打ち・聞き役が並んで座り、禰宜殿が祝詞奏上などの神事を行った後、田の神祭が行われます。
【式次第】式は、第一段太刀の舞、第二段長刀の舞、第三段棒の舞、第四段祝詞、第五段三番叟、第六段翁、第七段獅子、第八段田の神祭、第九段田植うた、の9段に分かれています。
太刀の舞・長刀の舞・棒の舞は、裃姿の3人による一人舞いで三角筵の上で舞います。
祝詞・三番叟は茣蓙に座る禰宜殿が「中臣祓詞(ナカトミノハラエコトバ)」を唱え、「万歳楽」を祝う詞を唱えます。
翁は、薄茶色の格衣(カクエ)・藍鼠(アイネズ)色の袴姿に侍烏帽子(サムライエボシ)を被り褐色の癋見(ベシミ)面を着けた翁が、右手に扇子を持ち三角筵の上に立って問答形式で祝い事を唱えます。
獅子は、幕間から這いながら登場した二人立ちの獅子が暴れるのを裃姿の口取り役2人が諫めて、「ショッ ショッ ショ エヤー」と声を発しながら手に持つ扇子で獅子頭を三度打ちます。次に、口取り役2人と餅役1人が、半切り桶に盛った「三升餅」を獅子に咥えさせます。
田の神祭は、茣蓙に座る祢宜殿が豊作祈願の祝詞を唱えます。
最後の田植うたは、三角筵の上で太鼓打ちが桶胴太鼓を打ち、これを囲んで輪になって裃姿に花笠を被る10人がビンザサラを持って舞い、次に、採り物を稲苗に見立てた松葉に替えて舞いながら松葉を見物人に向かって投げます。
この後、白の上衣・赤の褌姿に蒸栗(ムシクリ)色の手拭いを頬被りし、額・頬・鼻・口周りを赤く塗った赤飯役が、半切り桶に盛られた赤飯を見物人などに配って回ります。
神社へ参進する 禰宜殿が神事を斎行する
太刀の舞 長刀の舞
棒の舞 祝 詞
翁 獅 子
獅子(扇子で獅子頭を打つ) 獅子(三升餅を咥えさせる)
田植うた(ビンザサラを摺る) 田植うた(松葉を投げる)
赤飯役が赤飯を配る