桶がわ祭り(県神社)

【祭礼日】4月1日
【場 所】県神社(加茂郡川辺町下麻生1938)

【日 程】10:00(式典)、11:00(子供神輿巡幸)、13:00~14:00(乞食開帳)、14:00~14:10(オコワかけ)、15:00~(餅投げ)

「桶がわ祭り」は「乞食祭り」とも呼ばれ、江戸時代から続く豊作を祈願する祭りです。

昔、下麻生(シモアソウ)の村が日照り続きとなり村人が困窮しているある日、お宮の縁の下に乞食が住み着き村の人々に物乞いをして回り、村人は乞食に食べ物を与えていました。しばらくたったある日、突然激しい雨が降り始め田畑に潤いが戻り豊作となりました。村人は乞食を神の使いだとして、県神社の祭りでは集まった乞食にオコワ(赤飯)を振る舞うようになったそうです。

桶がわ祭りの名の由来は、オコワを取り合う際に、激しい取り合いにより桶の底が壊れて、桶の側面(がわ)にしかオコワが残らなかったことからといわれています。

祭礼当日は、午前中に神社で式典が行われこの中で浦安の舞が奉納され、その後、子供神輿と乞食役の子供が一緒に地区を練ります。

午後から境内で「乞食開帳」されます。茣蓙の上に親子の乞食役が座り、その前に大きな椀が置かれ茣蓙の隅にはお酒・徳利・茶碗なども置かれます。茣蓙の上には紙垂(シデ)を付けた注連縄が張られています。乞食を神として迎えているのです。

親子の乞食役は、頭はボサボサ、顔に煤を塗りヨレヨレの衣装を着けています。隣には乞食の人形も置かれています。乞食役に近づいてきた人は椀に小銭やお札を入れます。親の乞食役は厄年の人が演じます。子供は本当の親子かは分かりません。

乞食開帳から1時間ほどすると、乞食役が座る茣蓙の前にブルーシートが敷かれ「オコワかけ」が始まります。2升の餅米から作られたオコワが入った大型のお櫃を担いだ1組4人が乞食開帳の場を周回します。担ぎ手は3組いて交代しながら周回します。

いつオコワかけをするのかと見ていると三周目にいきなりオコワを乞食役の前に放り投げます。すると乞食役を取り囲んでいた見物人が一斉にオコワに飛び掛かり折り重なって奪い合います。あっという間で突然だったのでこの場面を写真に収めることは出来ませんでした。

オコワを手にした人は他の人にもオコワを分け与えてその場で一緒に食します。この後、本殿前の石垣上から餅投げが行われます。

 

乞食の親子と子供神輿(左後方)                   乞食の親子と人形      

 

オコワを担いで乞食開帳の場を周回する

 

オコワかけの直後                          オコワを食す  

祭りの栞(トップ)

 

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