蛭川の杵振り踊り(安弘見神社)

【祭礼日】4月16日に近い日曜日
【場 所】安弘見神社(中津川市蛭川中切1033-1)

【日 程】6:00~10:30(青年みこし)、9:00~12:00(子供みこし)、9:00~15:00(厄年みこし)、10:30~14:00(花みこし)、10:00~12:40(神事=神社)、11:00(神楽舞=神社)、12:30(杵振り出発=蛭川総合事務所前~神社)、13:00(神馬・花馬出発=蛭川総合事務所前~神社)、14:00(子供・婦人の手踊り、子供杵振り=神社)、14:40(杵振り到着=神社)、15:30(杵振りが参道を一往復半・獅子の洞入り)、16:10(神馬・花馬の駆け上がり)、16:20(餅投げ)

「蛭川の杵振り踊り」は南北朝時代から続くとされる五穀豊穣を願う祭りで、明治2年(1869年)の廃仏毀釈(ハイブツキシャク)以前は、安弘見(アビロミ)神社と改称される前の牛頭(ゴズ)天王社の中にある薬師堂の祭りで旧暦8月15日に行われ、獅子舞に杵振り2人が随行するだけの祭りでしたが、大正8~9年(1919~1920年)頃から杵振りの人数が現在のように多くなったそうです。

また花馬は、旧暦6月16日の牛頭天王社の祭典日に奉納されていましたが、これに神馬が加わるようになったのは大正の頃だといわれています。(以上、当日配布のチラシより)

4月の安弘見神社の例祭ではこの二つの祭りを一緒に行い、これに青年・子供・厄年・花みこしや子供・婦人の手踊りが加わり町中が祭り一色になります。

桜満開の神社に着くと丁度「厄年みこし」が神社の階段を下りて来るところでした。人気のない神社から町中に戻ると御幣の付いた榊の枝と幣束を先頭にして女性だけで担いでいる「花みこし」に出会いました。花みこしは、杵振りの象徴である赤・黄・青の市松模様の臼の上を白い花のヒトツバタゴで飾った清楚ながらも華やかな神輿です。

次に杵振り踊りの一行に会いました。先が割れた竹を持つ赤鬼と青鬼・オカメ・ヒョットコ・赤い柄杓を持つ天狗が先導し、その後ろには白の格衣(カクエ)・袴姿に天冠を被り、顔に八の字髭を描いた稚児が道を清めるために御幣の付いた榊の枝を振っています。

稚児の後ろに30人ほどの杵振りの踊り子と「お囃子」・大獅子が続きます。踊り子は赤い着物に水玉模様の水色の軽衫(カルサン)と黄色の脛巾(ハバキ)を着け、赤・黄・青の市松模様の臼を象った笠を目深に被り、赤と黒に塗り分けた杵を手に持ち踊ります。

踊り子に続くお囃子の笛方は、紺の法被に黒の股引姿の男性と女性合わせて20人ほどです。女性は豆絞りの手拭を首に掛け、赤・黄・青の捩り紐を鉢巻し白とピンクの花笠を背にしています。男性は豆絞りの手拭を鉢巻しています。

お囃子の太鼓方は、担ぎ棒に据えた桶胴太鼓を二人で担ぎ、別の二人が太鼓を叩きます。笹の葉で両脇を支えられた桶胴太鼓の上には五色の紙で作られ三俣に分かれた花が載っています。

お囃子の後ろには大獅子がいます。獅子の胴幕には数人が入っており、薄緑色の臼状の笠を被り笹の束を持つ蝿追(ハエボイ)と呼ばれる2人が紅白の捩り紐で獅子を引っ張ります。獅子はこれに逆らい激しく暴れたります。

行列の最後に花馬がいます。花馬の背には無数の五色の紙が付けられた10本ほどの大きな花が載せてあります。花があまりにも大きくこれには馬も重そうなようすでした。

行列は蛭川総合事務所前から神社までの1.5Kmほどの道を2時間かけてゆっくりと進みます。神社下の広場に着くと、花馬の隣で紺の法被姿の10人ほどが輪になって「花馬唄」を歌います。

続いて小学生20人ほどによる「子供杵振り踊り」が披露されます。赤の長半纏・黒の短パン姿に大人の杵振りと同じ臼形の笠を被り杵を持って踊ります。次に、緑の胴幕に5人の子供が入った子供獅子も舞います。

この後、神社下の広場から神社社殿への100段ほどもある参道の階段を一往復半する杵振り踊りの行列と神馬・花馬の駆け上がりが始まります。階段を半分ほど上がった位置で見学することにしました。

行列は、赤鬼青鬼・オカメ・ヒョットコ・天狗・稚児・杵振り・お囃子・大獅子の順で参道を一往復すると、神社下の広場で大獅子の「洞入り」という行事があります。

桶胴太鼓の乱れ打ちとともに大獅子が倒れ、天狗が手桶の水を柄杓で獅子に掛け獅子が蘇生し、踊り子が杵で互いの笠を叩きあうのだそうです。参道の周囲は人で満ち溢れ、移動どころか身動きもできない状態だったので残念ながらこの行事は見学出来ませんでした。

大獅子の洞入りの後、杵振りの行列が参道を上がると、一の鳥居から二の鳥居・三の鳥居を経て神馬・花馬が駆け上がりますが、二の鳥居あたりで花馬の花は見物人に抜き取られ参道を駆け上がる頃には花は一本もありません。やはり神社下の広場で見学した方が良かったのかもしれません。

神馬・花馬の駆け上がりが終わると、神社境内に設けられた櫓の上から緑の法被を着けた氏子関係者10人ほどが、四角い藁製の籠の中から取り出した餅を四方に向けて投げます。

 

 花みこし                                    杵振り踊り

 

蝿追と大獅子                                    花 馬  

 

子供杵振り                                    稚 児 

 

杵振り踊り                                    笛 方  

 

 桶胴太鼓                        鬼・おかめ・ひょっとこ

 

神 馬                               餅投げ       

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