八百津のだんじり祭り(大舩神社)

【祭礼日】4月第二土・日曜日
【場 所】大舩(オオフネ)神社(加茂郡八百津町八百津4424)

【日 程】土曜日〔試楽〕8:00(だんじりが町内巡行)、14:30(3組のだんじりが船の形になる=八百津大橋)15:00~16:00(だんじりが町内巡行)、日曜日[本楽]8:00(だんじりが町内巡行)、11:00(3組のだんじりが船の形になる=町役場前)、11:00~12:00(だんじりが巡行=町役場前~大舩神社)、15:00(だんじりが巡行=大舩神社~町内)

「八百津のだんじり祭り」は、木曽で伐り出された材木を筏にして流す船運で栄えた川港の八百津の特徴を色濃く残す祭りで、延宝年間(1673~1681年)に始まったといわれます。

「だんじり」とは山車(ダシ)のことで、八百津のだんじりは、芦渡(アシド)組・本郷組・黒瀬組の3組から繰り出され、芦渡組が船の舳先(ヘサキ)部、本郷組が船の中央部、黒瀬組が船の艫(トモ)部をかたどり、3輌のだんじりを一列に並べると一隻の船の形になるという珍しいものです。

祭りは土曜日の試楽と日曜日の本楽の二日間行われ、だんじりが並んで一隻の船になる八百津大橋(試楽)と役場前(本楽)での場面と、だんじりが高台にある大舩(オオフネ)神社の阿弥陀坂を「曳き上り」「曳き下り」(本楽)する場面などが見所とされています。今回は試楽の午後からのだんじり巡行を見学しました。

【だんじり】だんじりの組み立てには釘を一切使用せず、祭りの1ヶ月前から水に浸した藤ツルを使用します。 だんじりを縛り固定するのに藤ツルを使うのは川筏を組んだ時の風習の名残りといわれます。

3輌のだんじりの「格(コウ)組み」は、それぞれ長さ6~8m、幅3m余、高さ約6mで、だんじりの舵を取る「押木」2本の長さは8~9mあります。押木の上に芦渡組と黒瀬組は舟底の形をした床を、本郷組は長方形の床を設けています。

だんじりを前後二つに分けて前部を前山、後部を後山といい、芦渡組と黒瀬組は前山の先に船の舳先に当たる「みのさき」(長さ1m余)を設けています。

前山の天井には彩色絵が描かれ、猩々緋の水引幕が張られています。後山の両側面には猩々緋の布に金糸で刺繍がされた胴幕が、後部には「見返し」が掛けてあります。

前山・後山ともにそれぞれ唐破風(カラハフ)の屋根が設けられ、前山は笛・太鼓の囃子方が囃子を奏する舞台となり、後山は楽屋として使用されます。

【だんじり祭り】八百津のだんじり祭りは女人禁制の男の祭りとされ、女性は曳き綱を触ることさえできなかったそうですが、昭和45年(1970年)から女性がだんじりに触ったり、綱を持ってだんじりを曳くことが許されるようになり、今日では、女性はそろいの衣装も整え有力なだんじりの曳き手になっているようです。

だんじりの舵取りは、だんじりの下部にある2本の押木を押したり、梃子棒を使ったりします。だんじりの重量は空の状態で3.3トンあり、これに諸々の飾りが付き囃子方など大勢の人が乗るので重量は4トンにもなります。舵取りは男衆の力仕事で、また祭りの見せ場でもあります。

3輌のだんじりが八百津大橋の上に並び一隻の船となる姿は壮観です。天気も上々で素晴らしい祭りを見学出来ました。

 

黒瀬組

 

本郷組

 

      芦度組                              舵取り(本郷組)

 

八百津大橋に並ぶだんじり3輌                     舵取り(芦度組)    

 

          黒瀬組                        だんじりを曳く女性(黒瀬組)

祭りの栞(トップ)

 

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