若狭能倉座の神事能(彌美神社)

【祭礼日】8月20日
【場 所】彌美神社(三方郡美浜町宮代10-25)

【日 程】12:00~15:30

若狭地方には中世(鎌倉時代から戦国時代まで)の早い時期に「猿楽」が存在し、かつては「倉座」・「気山座」・「吉祥座」・「尾胡座」と呼ばれる四座の猿楽がありましたが、現代まで伝承されているのは倉座だけとなっています。

猿楽は明治維新後、能・狂言の総称である「能楽」と呼ばれるようになりました。「若狭能倉座の神事能」は、中世の能や習慣を現在に伝えていて全国的にも珍しい存在なのだそうです。

二百十日を前にして毎年8月19日に若狭町の宇波西(ウワセ)神社で、翌20日には美浜町の彌美(ミミ)神社で、台風など嵐を避け無事の収穫と豊穣を祈願する「風祈能(カザイノウ)」という神事能が奉納されます。今回は彌美神社で行われる風祈能を見学しました。

演目は毎年変わるようですが、今年の演目は「一人翁」・「雲林院」・「杜若(カキツバタ)」・「小袖曽我」・「熊坂」の5曲でした。

最初の一人翁は、翁面を運ぶ面筥持(メンバコモチ)と太夫(タユウ)の二人で奉納されます。面筥持が太夫に翁面を着け、太夫が面筥持の謡(ウタイ)に合わせて舞います。この形式が中世の能とされているようで、一人翁の舞は福井県の無形民俗文化財に指定されています。

雲林院から熊坂までは、囃子方4人(笛・小鼓・大鼓・太鼓)の囃子と地謡(ジウタイ)5人の謡に合わせてそれぞれ一人だけで舞います。5曲全部で3時間余り要しました。

演目は、「羽衣(ハゴロモ)」・「山姥(ヤマンバ)・「猩々(ショウジョウ)」・「高砂」・「竹生島」・「橋弁慶」・「小鍛冶」・「鶴亀」・「笠之段」など全部で10数曲あるそうです。

 

面筥持と太夫                              一人翁  

 

囃子方                                地 謡

 

 雲林院                                杜 若

 

小袖曽我                                熊 坂



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