小原の王の舞(石按比古比売神社)

【祭礼日】4月3日に近い日曜日
【場 所】石按比古比売神社(三方上中郡若狭町小原(オハラ)23-41)

【日 程】13:00(神事)、13:30~14:30(王の舞・獅子舞)

この日、8年振りに行われた小浜市加茂神社の「手杵祭り」の後、午後から滋賀県のHさんの案内と兵庫県のKさんの車で、若狭町鳥羽地区の3ヶ所の王の舞(小原(オハラ)・麻生野(アソノ)・海士坂(アマサカ))を見学することができました。

最初に見学したのは小原の石按比古比売(イワクラヒコヒメ)神社の王の舞と獅子舞で、階段上の本殿で丁度神事が始まったところでした。氏子集落の南が王の舞を、北が獅子舞を務めているそうです。

後で調べたところ、『小原の王の舞と獅子舞は「大昔、鳥羽谷一帯が沼であった頃、ここに棲む大蛇を石桉大明神が退治した」という故事にちなんだものとされています。』(若狭町歴史文化館のホームページ)

神事が終わると、黒の長着に白の股引をはきその上に、袴の股立(モモダチ)を取った獅子方の2人が獅子の胴幕に入る準備をします。

獅子は二人立ちで、獅子頭持ちは手拭を姉さん被りし、もう一人の尻尾役は、割竹を直径50cmほどの輪にしこれに大きな鈴を3ヶ付けた奇妙なものを頭に被りそのまま胴幕に入ります。初めて見る獅子方の衣装です。

獅子頭は真っ黒で平べったく牛に似ています。目尻が黄金色に長く縁どられているのが特徴的です。獅子は階段を降りると境内の舞殿を3周回って、階段下の脇に寝そべった形で箱の上に獅子頭を置きお休みします。

次に舞殿で王の舞が始まります。鉾持ち・少年(鼻高)・太鼓打ちが舞殿の端に横一列に座り、幣持ちが少年に焦げ茶色の鼻高の面を着けます。鼻高は、唐草と鶴の模様の入った鳥の子色の素襖(スオウ)姿に侍烏帽子を被っています。

鼻高は太鼓の音に合わせて幣束の付いた鉾を前に突き出したり、頭上に捧げ上げたり、また人差し指と中指を揃えて天を指したりします。大蛇に立ち向かう所作をしているのだそうです。

王の舞が終わると、寝そべっていた獅子が起き上がり太鼓の音とともに動き回り、獅子は胴幕の中にいる尻尾役が頭に被っている輪の上に頭を載せたりします。獅子に付いた虫を払い落しているようです。この動作を何度か繰り返した後、獅子が走り始めると20人ほどの子供たちが獅子を追いかけます。

獅子は走りながら胴幕の中からお菓子をばら撒き子供がこれを拾います。お菓子が無くなると獅子は、社務所の裏にいる大人にお菓子を補給してもらい、再び舞殿の周りを走りながらお菓子をばら撒き子供が追いかけます。初めて見るなんとも微笑ましい獅子舞です。

 

獅子頭                                     獅子方

 

階段を降りる獅子                              寝そべる獅子

 

         鉾を突き出す                       鉾を捧げ持つ

 

指を揃えて天を指す                           鼻高面を取る  

 

  お尻に頭を載せる                            獅子が菓子を撒く


祭りの栞(トップ)

 

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