日向の水中綱引き

【祭礼日】1月第三日曜日
【場 所】稲荷神社(三方郡美浜町日向47-36)・日向橋

【日 程】 5:00~9:00(綱練り=稲荷神社)、10:00~13:30(宇波西神社へ初卯詣り)、14:00~14:30(綱引き・稲荷神社参拝)

水中綱引きの行事は、日向(ヒルガ)湖と若狭湾をつなぐ運河を塞いだ大蛇を追い払うために、大蛇より大きな綱を作り運河に張ったところ大蛇は出なくなった。その縁起の良い綱を海中で引き合ったのが始まりという大蛇説や、武蔵川越藩から若狭小浜藩に国入りしたばかりの藩主酒井忠勝に陳情し、寛永12年(1635年)若狭湾と日向湖を結ぶ運河を作ってもらい、運河完成とその後の大漁を祝って始めたという説などがあります。

祭り当日の早朝から3~4時間かけて、稲荷神社の長床(ナガトコ)と呼ばれる集会所で綱練り(綱作り)をします。綱の太さは直径30cm、長さ40mにもなります。これが出来上がると日向橋の欄干から運河に投げ入れ、東西の両岸に取り付けます。また、数十枚の大漁旗を結えたロープ2本を運河を跨ぐようにして取り付けます。

10時に若狭町の宇波西神社へ海上安全と豊漁祈願の初卯詣りに出かけた船頭衆が、日向に戻り卯詣りの赤い旗を稲荷神社に奉納します。白いパンツ姿に色とりどりの縮緬の鉢巻を締めた若者たち20~30人が稲荷神社で伊勢音頭を歌った後、日向橋に向かい橋の欄干の一番高い所から5~6m下の運河に向かって、二人一組で勢いよく飛び込みます。最初は青年会長の組が飛び込みます。

飛び込んだ後は、東西の両岸に泳ぎ分かれ綱引きを始めます。綱引きと言っても綱を引き合うのではなく、岸に結ばれた綱をどちらが早く切ることが出来るかを競うのです。寒中の水の中での競争です。中には歯で噛み切ろうとする若者もいます。10分余で勝敗が決まりました。今年は東岸側が勝ちました。人数を数えると東岸が15人、西岸が10人でした。

水中綱引きが終わると、橋の袂で待つ家族から白米と5円硬貨が入つた一升枡を受け取り裸のままで稲荷神社に参拝します。

 

                日向橋                       青年会長が飛び込む

 

日向橋から飛び込む

 

  綱引き(東岸)               綱引き(西岸)

 

               東岸の勝ち                    白米と硬貨の入つた枡

 

家族から枡を受け取る                         稲荷神社に参拝 

祭りの栞(トップ)

 

inserted by FC2 system