坂宇場の花祭り

【祭礼日】11月第四土・日曜日
【場 所】八幡神社(北設楽郡豊根村坂宇場字宮ノ嶋3=道の駅豊根グリーンボート宮嶋の東隣)

【日 程】土曜日18:00~日曜日10:00

花祭りは鎌倉・室町時代に山伏や修験者によって天龍水系の里に伝えられた700年余の伝統を持つ神事芸能です。

坂宇場(サカウバ)の花祭りはバス便がなく見学に行けないものと諦めていたところ、足込・坂宇場・河内の花祭り会場を周遊するシャトルバスがあることを知り、早速坂宇場の花祭りに出かけました。バスは土曜日21:25~日曜日9:30まで、JR東栄駅前~河内・足込・坂宇場の3会場を夜中じゅう巡回しています。

河内・足込の花祭りはすでに見学しているので、今回は22:30JR東栄駅前発の便で坂宇場に直行しました。現地に着いた時には山見鬼の舞が始まっており、残念ながら花の舞は見学出来ず、またバス便の都合で湯ばやしの途中までしか見学出来ませんでした。それでも初めて豊根村の花祭りを見学でき良かったと思います。

【舞庭(マイド)】約5m四方の土間の真中に大釜を据え湯を沸かしています。坂宇場では薪は使わず炭火を使っているので煙は殆ど出ません。土間の四方には丸い柱が立てられ、4本の柱にはそれぞれ大きな榊の枝が結えつけてあります。

舞庭の天井には「湯蓋(ユブタ)」と呼ばれる方形の天蓋状のものが吊るされ神々の宿る所とされています。その周りは家内安全を祈願した添え花で埋めつくされています。さらに外側の四方に張られた縄には「ざぜち」と呼ばれる切り紙の飾りが吊るされています。

【行事次第】1.バチの舞、2.湯立て、3.鎮の舞、4.地固めの舞(扇・ヤチ・剱)、5.花の舞(扇・盆・湯桶・舞上げ)、5.一の舞、6.山見鬼、7.三つ舞(扇・ヤチ一・ヤチ二・剱)、8.榊鬼、9.禰宜(ネギ)・翁・巫女、10.四つ舞(扇・ヤチ・剱)、11.湯ばやし、12.朝鬼、13獅子。

三つ舞・四つ舞はそれぞれの採り物ごとに概ね50分ほど休むことなく舞われます。青年たちが懸命に舞い、これを大人たちが終始付き添い舞いを指導しています。舞人は、前は五三桐の紋、後ろは鶴の絵柄を染めた紺の着物・紺または草色の裁っ着け袴姿に、紅白の襷を片襷しています。さらに白い袢纏を羽織り舞うこともあります。囃子は大太鼓1人と笛3人です。  

山見鬼・榊鬼は赤い着物・裁着袴(タッツケバカマ)に赤い帯を締め、鉞(マサカリ)を持って「反閇(ヘンバイ)」という大地を足で踏みつける所作を繰り返します。この時、セイト衆と呼ばれる人たちは四隅の柱に結えてある榊の枝を千切って手にし「テーホヘ、テホヘ」と囃しながら舞います。また宮人(ミョウド)の持つ松明と鬼の鉞を打ち合って火花を散らしたりします。

「禰宜・翁・巫女」は、東栄町の花祭りでは「スリコギの舞」などと言われているもので、翁と巫女が味噌を付けたスリコギを持って見物人の顔に味噌を付けて回ります。縁起物とされるようで地元の方たちは付けられた味噌を拭うことなく祭りを見守ります。

境内の大テントの中には売店と休憩所があり、焼そば・焼き鳥・五平餅・お酒等を販売しています。5年ほど前から売店を設けるようになったそうです。この他に境内には薪の焚き火も2ヶ所あり一休みしながら暖をとることが出来ます。シャトルバスの巡回開始時間がもう少し早く、終了時間がもう少し遅ければ言うことなしです。

 

山見鬼

 

    三つ舞(扇)                              四つ舞(ヤチ)

 

 三つ舞(ヤチ)                              三つ舞(剱)

 

     榊 鬼                                禰宜・翁・巫女

 

 四つ舞(扇)                                湯ばやし

祭りの栞(トップ)

 

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