豊橋祇園祭・御神幸(吉田神社)

【祭礼日】7月第三木~日曜日
【場 所】吉田神社(豊橋市関屋町2)

【日 程】木曜日15:00~17:00(子供の笹踊り)、金曜日〔宵祭]午後(大筒・乱玉花火台の練込み)、18:00(手筒花火の清祓い)、18:45(神前手筒花火奉納)、19:00~22:00(手筒・大筒・乱玉花火奉納)、土曜日〔前夜祭〕午後(花火玉箱の練込み)、19:00~21:00(打上花火大会)、日曜日〔本祭〕10:00(例祭式典)、17:00~19:30(御神幸)

吉田神社は、天治元年(1124年)当地で疫病が流行した際、牛頭天王(ゴズテンノウ)を勧請し疫病退散を祈願したのに始まるとされています。

三河地区は徳川家康ゆかりの地として、火薬の製造・貯蔵に関する規制が他藩に比べ寛大であったところから花火技術が発展し、吉田神社の「豊橋祇園祭」は、江戸時代から疫病退散を祈願する花火祭としてその名を知られてきました。

例祭式典が行われる本祭では、夕方から「御神幸」(神輿渡御)が行われます。今回はこの御神幸を見学しました。

御神幸は吉田神社を出発し、氏子域の関屋町-上伝馬町-萱(カヤ)町-三浦町-指笠(サシカサ)町-本町-札木(フダギ)町-西八町の順で巡幸し、吉田神社に還御します。途中、本町と札木町の間にある御旅所「素盞嗚(スサノオ)神社」で祭典を催します。

素盞嗚神社は、文治2年(1186年)源頼朝の名代石田次郎為久により建立されたとされ、江戸時代には城内天王社(現在の吉田神社)を上社というのに対し下社・下天王と呼ばれていたほど由緒ある神社ですが、昭和20年の空襲により社殿は焼失、戦後現在地に再興された小さな神社で、「輪くぐり神社」とも呼ばれています。

御神幸行列は、獅子飾鉾(カザリホコ)・太鼓・比礼鉾(ヒレホコ)・軍配団扇・伶人(レイジン)・鼻高面・獅子頭・御幣持・花箱(賽銭箱)・注連切・神輿・神職・氏子総代・奉賛会役員・笹踊り・頼朝・乳母・十騎・饅頭配(マンジュウクバリ)の順で、それぞれの役を担う町は固定で決まっています。

獅子飾鉾は札木町、伶人は上伝馬町の上伶会(ジョウレイカイ)、神輿担ぎは氏子八ヶ町の青年、笹踊りは萱町と指笠町、「頼朝行列」の頼朝と乳母は関屋町と西八町が年交代の交互、十騎は本町、饅頭配は上伝馬町、などとなっています。

裃姿で鼻高面を持つ1人は、道中、見物人の所望者の顔に鼻高面をあてます。面をあててもらうと夏病みしないといわれます。

神輿は道行の会所4ヶ所で、長さ50cmほどの小型の手筒花火で迎えられます。手筒花火は、節を抜いた孟宗竹(モウソウチク)の中に火薬を詰めた花火で、神前奉納では荒縄を巻き付けた長さ1mほどの大型の手筒花火を使います。吉田神社は手筒花火の発祥の地とされています。

頼朝行列】その昔、源頼朝が市内の普門寺に宿泊した際、家臣に吉田神社を参拝させたといういわれに因み幼少の頼朝行列を模したもので、金の素襖(スオウ)姿に金の風折(カザオリ)烏帽子を被り腰に太刀を帯び馬に乗る男児が頼朝役を務め、白の直垂(ヒタタレ)姿に侍(サムライ)烏帽子を被る男女児が、北条三郎義時・梶原平三景時・和田小太郎義盛などの十騎役を務めています。

【笹踊り】東三河の笹踊りは、江戸時代の将軍職が交代した際、その慶賀のために朝鮮から派遣された「朝鮮通信使」の影響を受けた踊りともいわれています。

踊り子は、橙色の筒袖・紅緋色の裁着袴(タッツケバカマ)姿に黒の脚絆を着け、赤の仁王襷の飾りを付けた笠を被り、顔を隠す紅色の布を膝下まで垂らし、胸に大・小の太鼓を付ける青年3人で、小太鼓2人は萱町、大太鼓1人は指笠町が務めます。

拝殿前での笹踊り奉納が終わると、これを合図にして御神幸の行列が出発します。笹踊りは道中、各会所などの要所と御旅所の素盞嗚神社で踊り、御神幸行列が吉田神社に還御すると、拝殿前で最後の笹踊りを奉納します。

 

       獅子頭                          笹踊り(吉田神社)

 

   笹踊り(道中)                          笹踊り(会所前)

 

     獅子飾鉾                          鼻高面を顔にあてる

 

 頼朝行列(頼朝)                        頼朝行列(十騎)

 

    饅頭配                              笹踊り(道中)

 

  笹踊り(素盞嗚神社)                     手筒花火で神輿を迎える 

 

 手筒花火で神輿を迎える                      笹踊り(吉田神社)   

豊橋祇園祭(御神幸)

豊橋祇園祭(子供笹踊り)

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