提灯祭り(八坂神社)

【祭礼日】5月第三土・日曜日
【場 所】八坂神社(名古屋市西区名西2ー34−20)

【日 程】土曜日8:00(山竿提灯立ち上げ・御神葭舟製作)、10:00(神事)、18:00(山竿提灯引き下ろし)、18:30(山竿提灯点灯・立ち上げ)、21:00(町廻り提灯とお神楽町内巡行)、日曜日21:00(御神葭舟流し)

八坂神社の例大祭では、長寿延命と五穀豊穣を祈願する「提灯祭り」と、夏の疫病が流行らないよう祈願する「御神葭(オミヨシ)舟流し」の二つの行事が行われます。例大祭は、元々6月14・15日に行われていましたが、平成7年(1995年)から5月第三土・日曜日に変更されました。

提灯祭りは、八坂神社が現在地に造営正遷宮を行った元禄15年(1702年)頃から始まったといわれています。

17時半ころ神社に着くと、鳥居前に直径3mほどの傘鉾提灯が飾られ、その奥の拝殿前には高さ5m、直径2.9mの大提灯が飾られています。大提灯の右側には高さ20mの「山竿提灯」が飾られています。

山竿提灯は、白地に赤の丸が描かれた卵型の提灯が5段組みにして付けられています。

根元の太さ20cmほどの丸太(山竿)に一段毎に8本の竹軸を横に出し八角形を成し、この竹軸をロープでつないで「蜘蛛の巣張り」にしたものを5段組んでいます。八角形の竹軸の長さは下段になるほど長くなります。

竹軸に付けられる提灯は、上段から順に72個、112個、168個、232個、296個の合計880個で、米または米寿を表わすとされています。5段組み提灯の上(山竿の先端)には、縦一列に五穀豊穣を表わす5個の提灯が付いています。

さらによく見ると、最下段の外側から2列目には「真向兎(マムキウサギ)」の絵柄が入った提灯4個(赤と黒の絵柄各2個)が吊り下げられています。真向兎は、火を起こさないための守り神とされているそうで、提灯祭りを火から守るかのようです。

巨大な山竿提灯を支えるため、山竿の根元は石臼の中央に作られた穴に差し込まれ、この石臼を囲むように設けられた頑丈な四角の木組みの上に米俵が4俵置かれています。

境内の一角に設けられた御神葭授与所では、御神葭に願い事を書く人の姿が絶えません。御神葭に禍事や穢れを託すのです。明日21時から行われる御神葭舟流しでは、長さ1.8m、幅0.6mの舟に御神葭が乗せられ、舟は町西の惣兵衛川に流されます。

山竿提灯の当番は氏子の14組が年当番で行い、一組が「大当番」をもう一組が「助当番」を務めます。

18時を過ぎると、赤の法被を着けた大当番の手により山竿提灯5段がすべて引き下ろされます。傍らでは助当番の女性が、長方形のロウソク台に打ち込まれた7~20本の釘に和ロウソクを差し込み、これにチャッカマンで次々と点火します。

ロウソク台には長さ2mほどの長柄が付いていて、この長柄を持って男性の助当番が、引き下ろされた提灯の海の中に立つ大当番10人ほどにロウソク台を差し出します。

大当番はロウソク台から1本ずつロウソクを抜いて提灯の中の釘に差し込みます。提灯の底板には、厚さ2cmほどに輪切りして陰干し乾燥させた大根が付いており、ロウソクの火が提灯に移らないように工夫されています。

段のすべての提灯にロウソクが整うとその都度、出来上がった段は山竿の上に引き上げられます。こうして50分ほどで点灯された5段の山竿提灯が出来上がります。温かみのある和ロウソクの提灯山は見ていても飽きることがありません。いつの間にか大提灯にも灯が灯されていました。

拝殿では、2人の巫女さんが子供たちに鈴のお祓いをしています。八坂神社は子供の守り神様でもあるそうです。

 

 傘鉾提灯と大提灯(奥)                    山竿提灯

 

       御神葭に願い事を書く                賽銭桶と御神葭(右)

 

          ロウソクに点火する             点火されたロウソクを運ぶ

 

  ロウソクを提灯に移す                    5段目の提灯を引き上げる

 

5段目の提灯と真向兎の提灯(下)                山竿提灯  

 

               鈴祓い                    大提灯と山竿提灯(奥)

祭りの栞(トップ)

 

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