ちんとろ祭り(住吉神社)

【祭礼日】4月第二土・日曜日
【場 所】住吉神社(半田市宮路町53)

【日 程】土曜日〔試楽〕8:00(山車合流・巡行開始)、12:30(山車宮入り=住吉神社)、14:00~15:05(渡御=住吉神社~天王社)、15:20~15:45(渡御=天王社~山ノ神社)、16:00~16:30(還御=山ノ神社~住吉神社)、18:00(稚児行列宮入り=住吉神社)、18:05(囃子奉納=住吉神社)、19:00~19:50(子供三番叟=宮池)、20:00(打上花火=宮池)。20:30(山車車庫へ)

日曜日〔本楽〕8:50(山車合流・巡行開始)、12:00(子供三番叟=宮池)、17:10(山車住吉神社宮入り)、19:15(山車曳き別れ)

半田市の各地区では3月下旬から5月上旬にかけて「春まつり」が開催されます。上半田(カミハンダ)地区の春まつりは「ちんとろ祭り」とも呼ばれ、2台の山車(北組唐子(カラコ)車・南組福神車)の曳き回しに加えて、舟祭りを伴うのが他地区にない特徴です。この舟祭りは、寛政年間(1789~1801年に「津島天王祭」から伝わったとされています。

住吉神社境内の宮池に浮かべた「ちんとろ舟」2艘(北組住吉丸・南組入宮丸)には、1年の日数を表す365個の提灯が半球形に飾られ、舟上に立てられた長竿には月数を表す12個の提灯が飾られます。

「ちんとろ」の由来は、舟上の提灯が「珍灯籠(チントウロウ)」であり、また囃子が「チントロ、チントロ」と聞こえることからきているといわれます。宵宮の夜にはちんとろ舟の前舞台で「子供三番叟」が奉納されます。

新型コロナウイルス禍のため、ちんとろ祭りは今年3年ぶりに開催(全面開催は4年ぶり)され、今回は土曜日の試楽を見学しました。

11時半ころ神社に着くと誰もいません。神社境内の宮池では、夜に行われる打上花火用の筏台が池の中央に曳き出され、花火の準備作業が行われています。宮池近くの名鉄住吉町駅南の踏切付近で待っていると北組と南組の山車がやって来ます。

台輪(ダイワ)4輪の2艘構造で前山と上山がある知多型の山車で、長い曳き綱の前側には子供、後側には揃いの半纏姿に吉祥文様の布を腰に巻き、黒の股引を着けた若者が綱を引っ張ています。山車の進行を担うのは拍子木を持つ1人と采配を持つ2人の役人で、赤の長半纏・袴姿に黒の手甲を着け地下足袋を履いています。

2輌の山車は宮入りすると境内に整列し休憩しますが、山車の後部では笛・締め太鼓の囃子が奏されます。荒池北側の空き地には、屋台が20軒ほど並んでいますがそのほとんどがトラックの荷台を利用した屋台で珍しい光景です。

【神輿渡御】14時から神輿渡御が始まります。羽織袴姿に一文字笠を被り警護棒を持つ先導・羽織袴姿の塩振り・神職・榊台・楽太鼓・楽人3人(笛・笙(ショウ)・篳篥(ヒチリキ))・弓矢・宮司・神輿・舞姫4人・氏子総代などの順で列を組んで進み、渡御行列の後ろから南組・北組の順で山車が続きます。

御旅所の天王社に渡御行列と山車が宮入りし、社殿に神輿を入れて神事を執り行い、次の御旅所山ノ神社でも同じように神事を執り行います。山ノ神社では祭り参加者にお酒・ジュースなどが振る舞われます。16時半、渡御行列は住吉神社に還御します。2輌の山車は住吉神社境内には入らず荒池北側にある一の鳥居付近で待機します。

18時、それぞれの会所から出発した南組・北組の稚児行列が2列に並んで宮入りします。先頭は提灯を持つ赤の長半纏の役人4人と入宮丸・住吉丸と書かれた赤の旗などを持つ4人です。稚児は三番叟頭の肩に担がれています。

稚児2人が住吉神社の拝殿に置かれた床几に腰掛け威儀を正すと、南組・北組の囃子方約30人が拝殿前の石段・石畳に正座して、一斉に15分ほど笛を奏します。

【子供三番叟】囃子奉納が終わると、稚児2人は再び三番叟頭の肩に担がれ、宮池東岸に横付けされている入宮丸と住吉丸に向かいます。それぞれの舟に稚児と囃子方などが乗船すると舟は岸を離れ、南組入宮丸は本殿に相対する二の鳥居前に、北組住吉丸は一の鳥居近くに舟をつけ、それぞれの舟の前舞台で子供三番叟を奉納します。

10分余で奉納を終えると、南組入宮丸と北組住吉丸は舟をつける場所を交代して再び子供三番叟を奉納します。舟をつける場所は年交代になっているそうです。今回は二の鳥居前で見学しました。

三番叟を舞う稚児は4~6才の男児で、顔を白化粧し白の振袖上衣・袴姿に剣先烏帽子(ケンサキエボシ)を被っています。南組の烏帽子は、黒地に金の縁取りをし月を表わす金丸が描かれています。北組の烏帽子は、金地に黒の4本の横線が引かれ真中に太陽を表わす赤丸が描かれています。

南組は女三番叟、北組は男三番叟を演ずるのだそうです。囃子方も組により異なり、南組は笛・締め太鼓、北組は笛・鼓・ツケ板(下に置いた板を叩く)です。

子供三番叟が終わると2艘の舟は宮池を周回し、20時から宮池の中央で花火が打ち上げられます。打上花火が終わると、南組と北組の山車はそれぞれの車庫に向かいます。

 

渡御行列(先導・塩振り・神職・榊台)                        渡御行列(楽太鼓・楽人)        

 

 渡御行列(神輿)                                            渡御行列(舞姫)

 

南組福神車                                                   北組唐子車

   

  南組福神車と北組唐子車(天王社)            北組の胴上げ(天王社)   

   

          神事(天王社)                                      飲物を振る舞う(山ノ神社)

 

稚児の宮入り

 

南組と北組が神前で囃子を奉納する

 

   飾り付け前のちんとろ舟                              飾り付け・点灯後のちんとろ舟

 

北組の稚児が住吉丸に乗る                                    南組入宮丸の稚児      

 

三番叟(南組入宮丸)

 

三番叟(北組住吉丸)

 

      宮池を周回するちんとろ舟                              打上花火(宮池)

祭りの栞(トップ)

 

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