踏歌神事(熱田神宮)

【祭礼日】1月11日
【場 所】熱田神宮(名古屋市熱田区神宮1-1-1)

【日 程】10:00~11:00(大幸田神社・影向間社・本宮)、13:00~14:00(別宮・大幸田神社)

熱田神宮の「踏歌(トウカ)神事」は、年頭に千秋万歳の祝言を述べ、大地を踏みしめて土地の精霊を鎮め、五穀豊穣・除厄招福を祈念する行事で、平安時代中期に途絶えた「男踏歌」の形式をよく伝えるものとされています。

踏歌神事は、午前中に大幸田(オオサキダ)神社・影向間社(ヨウゴノマシャ)・本宮で、午後から別宮(八剣宮)と大幸田神社で行われます。

神事の奉仕者は、「踏歌頌文(ショウモン)」を読み上げる「詩頭(ジトウ)」1人・舞を奉ずる「舞人(ブジン)」4人・笏拍子(シャクビョウシ)を打ちながら謡う「陪従(ベイジュウ)」5人・笛役1人・雁使(ガンシ)1人の合計12人です。

舞人は、小忌衣(オミゴロモ)姿に桜の挿頭(カザシ)花を付けた冠を被り、太刀を腰に帯び卯杖(ウヅエ)を手に持っています。詩頭・陪従・笛役・雁使は斎服姿に山吹の挿頭花を付けた冠を被り、笏や笛を持っています。桜の挿頭花と山吹の挿頭花は、影向間社に到着した時に、雁使の手により冠に付けてもらいます。

神事に奉仕する舞人・詩頭・陪従・笛役・雁使が斎館(サイカン)前に整列し、陪従・笛役は大幸田神社へ行き、踏歌「竹川半首(タケカワハンス)」を謡った後、影向間社に向かいます。舞人・詩頭・雁使は影向間社へ直接行き陪従・笛役が到着すると、舞人が「卯杖の舞」を舞います。これを「試舞」といいます。

この後、一同列をなして本宮に向かいます。宮司が祝詞を奏上した後、舞人が神前に進み一礼を三回行い、この時、陪従は「万春楽(バンスンラク)」を3回謡います。

次に、舞人は卯杖の舞を舞い、陪従は「竹川半首」を謡います。次に、舞人は中啓(チュウケイ)を手に持って「扇舞」を舞い、陪従は「浅花田(アサハナダ)」を謡います。

次に、詩頭が踏歌詔文を奏上し、陪従の1人が「高巾子(コウコジ)」と呼ばれる半球の冠を被り高巾子役となり、振鼓(フリツヅミ)を左右に高く打ち振りコロコロと鳴らします。

振鼓は、長さ50cmほどの柄の先に直径8cmほどの太鼓2ヶを直角に組み合わせ、玉をつけた紐を太鼓の胴の両面に結んだもので、柄を振ると玉が太鼓を打ち音がします。この振鼓の音によって参詣者がそれぞれその年の豊凶を占うのだそうです。

次に、舞人は神前に進み一礼を三回行い、陪従は「何そもそも」を謡い、本宮での行事は終ります。

陪従が謡う「竹川半首」「万春楽」「浅花田」「何そもそも」は、平安時代に隆盛した歌謡を集めた歌謡集「催馬楽(サイバラ)」に掲げられている古代歌謡です。

午後からも斎館前に一同が整列し、列をなして別宮(八剣宮)と大幸田神社に向かい、本宮と同じように踏歌神事の舞と謡いが行われますが、こちらの方が見物人の数が少なく行事をより間近で見学できます。

 

    舞人(本宮)                         舞人と陪従(本宮)

 

舞人と陪従らが整列する(斎館前)                   卯杖の舞(別宮)     

 

 詩頭が詔文を奏上する(別宮)              高巾子役が振鼓を鳴らす(別宮)

 

別宮から大幸田神社へ向かう                    卯杖の舞(大幸田神社) 

 

   扇舞(大幸田神社)          高巾子役が振鼓を鳴らす(大幸田神社)

祭りの栞(トップ)

 

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