お田植祭(財賀寺)

【祭礼日】1月3日
【場 所】財賀寺(豊川市財賀町観音山3)

【日 程】14:00~14:30

『お田植祭は田遊びともいい、豊作を祈願する民俗芸能から神事芸能になったものです。財賀寺(ザイカジ)には元禄9年(1696年)に書かれた田祭り案分が残されており、このころからお田植祭りが行われるようになったものと考えられます。(中略)この祭りから、山の神が里に下りて田の神となり、稲の成長を見守って秋には再び山へ帰るといわれています。』(現地豊川市教育委員会案内板より)

この祭りは古式に則り、祭りが始まった当時の家系の嫡長男のみが役人達(ヤクウド)として許されており、11人が務めます。役人達の役回りは次の通りです。

司祀(太夫)  一人  祭りの主人公
田畯(奉行)  一人  田を見廻るお役人
田夫      三人  農夫
撃鼓      一人  太鼓をたたく人
携樽者     一人  酒樽を持って出る人
饂者      一人  田にお弁当を運ぶ人
為負児婦者   一人  幼児を背負う女の人
為摧者     一人  白牛になる人
駆牛者     一人  牛をつかう人

司祀と田畯は、羽織袴に白足袋を履き、編み笠を被り白扇を持ちます。残りの9人は白張り袴に白足袋を履き菅笠を被ります。

【祭りの次第】1.田打ち、2.苗代かき、3.苗草、4.大足、5.種籾蒔き、6.植代かき、7.苗とり、8.田植え、9.昼飯持

【田打ち】役人達一同が鍬に見立てた樫の木を持って、太鼓に合わせて歌を歌いながら太鼓の周りを2回廻ります。

【苗代かき】田畯が樫の木を笠餅にさしたものを左肩に担ぎ、右手に白扇を持って農夫を励ます言葉を唱えます。次に白牛(為摧者)を司祀が先導し、馬鍬を持った駆牛者が後ろをとり太鼓の周りを2回廻ります。

【苗 草】司祀と田夫の一人が苗に見立てた杉の葉を持って、太鼓の周りを2回廻りながら杉の葉を太鼓の上に投げて、肥やしの苗草を田に入れる所作をします。

【大 足】司祀と田夫の一人が向かい合い四股を踏み、苗草を田の中に踏み込む所作をします。

【種籾蒔き】司祀が種籾の入った桶を持って、太鼓の周りを廻りながら種蒔きの所作をします。
   
【植代かき】苗代かきと同じような所作をします。

【田植え】苗に見立てた杉の葉を畳の上に並べていきます。次に司祀と駆牛者が牛を洗う所作をします。

【昼飯持】饂者が赤飯の入ったお櫃を風呂敷に包んで現われお櫃を太鼓の上に置きます。続いて為負児婦者が白襦袢にくるまれた木製の赤ん坊「オコゾウサマ」を抱いて現れます。
オコゾウサマに赤飯を食べさせて後、アオキの葉に赤飯を載せて参拝者に配ります。

子供の弱い人は、着物を新調してオコゾウサマに着てもらって、そのおさがりを弱い子に着せると必ず健康な子供になると伝えられています。また子供のない婦人が、オコゾウサマを抱かせてもらうと不思議に子供が授かる、丈夫な子を妊娠出来るといいます。

 

樫の木(鍬)                            田打ち

 

苗代かき

 

苗 草                                       大 足

 

種籾蒔き                                   植代かき

 

  田植え                                    牛を洗う

   

      昼飯持                                  オコゾウサマ


祭りの栞(トップ)

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