デンデンガッサリ(山中八幡宮)

【祭礼日】1月3日
【場 所】山中八幡宮(岡崎市舞木町宮下8)

【日 程】14:00~15:00(神事・デンデンガッサリ)、15:30(餅投げ)

山中八幡宮の「デンデンガッサリ」は、新年に行われる豊作祈願の予祝行事の「田遊び」で、「田ごね」・田植え・稲刈りの後、牛が稲束を家まで運ぶというストーリーを、前歌・後歌・科白(セリフ)・所作によって演じています。

前歌の冒頭で「ヤー ヤー ヤー デーン デーン ガッサリヤー ハッチキヒライテ ガッサリヤー」と歌うので、デンデンガッサリと呼ばれ、室町時代から続き500年以上の歴史があるといわれています。

神事の後、拝殿の本殿側中央に置いた桶胴太鼓を、白の狩衣姿に立烏帽子(タテエボシ)を被った神職2人と、茶の直垂姿に緑の袴を着け引立烏帽子(ヒキタテエボシ)を被った歌い手12人が囲みます。

最初に、ヤンヤヤンヤと囃しながら足踏みして田ごねの所作をします。次に、神職2人が棒で田に見立てた太鼓を叩き、歌い手が音頭取りに合わせて前歌と後歌を歌います。前歌は苗取り・田植えを歌い、後歌は伊勢踊りと絡めて男女の交わりを歌います。

前歌と後歌を歌い終わると「弁当」になり、白の半纏を着た数人の「年行司」が神職・歌い手や参拝者にお櫃の白飯を振る舞い、皆さん掌に受けて食します。

弁当が終わると、神職と歌い手が太鼓を囲んで再び前歌と後歌を歌った後に田ごねの所作をします。

次に、太鼓の上に二枚重ねの大鏡餅が置かれ、神職と歌い手に円盤形の丸餅が配られ「稲刈り」の所作が始まります。神職と歌い手は鎌と見立てた丸餅を大きく振り上げ稲と見立てた大鏡餅に幾度も振り下ろします。

この時、「今年の稲はよくできたのう。よう穂が垂れて粒もパチンとはじけそうだのう。天気もいいし稲刈りを始めるかのん。岡崎中をたんぼをザラザラ、ザラザラ、ザラザラ、よう切れる鎌じゃねえかえ」という科白が入ります。12の氏子地名をあげ、ザラザラ、ザラザラ、ザラザラを繰り返します。

次に、「おてんとう様の高いうちに家に運んでしまうかのん。それじゃあ、牛の支度をしてくれんかのん」といいます。

この後、稲束に見立てた二枚重ねの大鏡餅60Kgを背に載せた四つ這いの牛役が登場します。

頭に締め縄を巻き角に見立てた御幣を付けた牛役が、歌い手などの円陣の中を這って周回し途中で倒れて豊作を表す所作があるのですが、報道関係者が一斉に割り込んできて中の様子を見ることは出来ません。田遊びで稲束を牛が運ぶ所作は極めて珍しいので残念です。

田遊びの行事が終わると、年行司が特大の包丁で大鏡餅を20分ほどかけて切り分け、大量の切り餅を箱に入れ八足台(に載せて、拝殿の参拝者に一斉に投げ分けます。

デンデンガッサリと同じように、祭場の中央に太鼓を置きその周りで所作や歌を歌う方式の田遊びは、愛知県では豊川市財賀寺(ザイカジ)の「お田植祭」と豊川市菟足(ウタリ)神社の「田祭り」に見られます。

 

     神 事                            2枚の大鏡餅と丸餅

 

田植え                                 弁 当

 

   弁 当                               丸餅で稲刈り

 

大鏡餅を切り分ける                            餅投げ    

 

祭りの栞(トップ)

 

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